【業務改善助成金】令和7年度補正予算(352億円)でどう変わる?中小企業診断士が国の支援策を詳しく解説!

(引用:令和7年度厚生労働省補正予算案の概要 https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/25hosei/index.html)

令和7年度補正予算で業務改善助成金に352億円が計上されました。本記事では、制度の基本、補正予算の位置づけ、今後の見通し、具体的な業務改善の進め方まで、専門家の見解を含めて解説いたします!

目次

はじめに|令和7年度補正予算と業務改善助成金をどう見るか

これまでも政府は、業務改善助成金を軸に「生産性向上+賃上げ」を後押しする方針を打ち出してきました。厚生労働省の制度概要でも、事業場内最低賃金の引き上げと、生産性向上に資する設備投資等をセットで支援する制度であることが示されています。

2024年度(令和6年度)補正予算では、この業務改善助成金に297億円が計上され、最低賃金引上げに対応した賃上げ支援として位置付けられました。

そして今回、2025年度(令和7年度)補正予算案では352億円が計上されています。(前年度対比118.5%)

つまり今は、「業務改善助成金を本気で使ってほしい」という国のメッセージが、より強く打ち出されている局面と言えますね…!

1.令和7年度版・業務改善助成金の基本をコンパクトに整理

まずは、令和7年度の制度を復習します。すでに把握されている方は、読み飛ばしていただいて構いません!

(1)どんな制度か

  • 事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ
  • あわせて、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、
  • その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。

具体的な設備投資等の一例として、下記が挙げられます。

  • 業務改善に資するシステム導入・DX
  • DXコンサルティング
  • 機械設備の導入
  • 人材育成・教育訓練

(2)対象となる事業主

  • 中小企業・小規模事業者(みなし大企業は対象外)
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内
  • 解雇や賃金引き下げ等、一定の不交付事由がないこと

また、最近の拡充により、一部の特例事業者に対しては、対象経費の拡大などの優遇措置も設けられています。

(3)いくらまで助成されるのか

  • 設備投資等にかかった費用 × 一定の助成率(4/5 など)
  • 「引き上げ額」と「人数」に応じて助成上限額が決まり、
  • 同一事業主あたりの年間上限は600万円とされています。

以上、ここまでが「制度の型」です。
これに対して、令和7年度補正予算352億円がどう効いてくるかが次の論点です。

2.令和7年度補正予算「352億円」は何を意味するのか

厚労省の令和7年度補正予算案のポイント資料では、次のように記載されています。

最低賃金引上げに対応した業務改善助成金による中小企業等の賃上げ支援 352億円

また、各種専門メディアの速報でも、

  • 「令和7年度厚生労働省補正予算案で352億円を計上」
  • 「令和6年度補正297億円からの増額」

といった形で紹介されています。

この352億円から読み取れること

(1)最低賃金+αの賃上げを後押しする姿勢が継続している

価格転嫁だけでは追いつかない部分を、公的支援で後押しする方針が明確です。

(2)令和6年度補正297億円 → 令和7年度補正352億円と、補正予算ベースでは拡充傾向にある

「一時的なキャンペーン」ではなく、一定期間継続する政策の一部として認識しておくべきフェーズです。

(3)第3期以降の募集や対象拡充が行われる可能性が極めて高い

実際に、厚生労働省からも「第3期以降の募集を行う場合、別途HPにてお知らせいたします」と公表されています。

つまり、国からの強力な後押しがある今、「今年は業務改善助成金の活用を本気で検討してみる絶好の年」と言えます!

3.今後のスケジュール感:いつ、何が動きそうか

スケジュール感は、「情報発信のタイミング」と「社内準備のタイミング」を決めるうえで重要なポイントです。  現時点(2025年12月上旬)で公表されている情報や、臨時国会の日程に基づく一般的な流れは次のイメージです。

  1. 11月28日   :令和7年度補正予算案が閣議決定
  2. 12月上旬〜中旬 :臨時国会に提出・審議
  3. 12月中〜下旬  :補正予算成立(見込み)
  4. 成立後〜年明け :厚労省・労働局が、具体的な公募枠(第3期等)や取扱いを案内
  5. その後     :募集開始 → 申請受付 → 交付決定 → 事業実施 → 実績報告 → 支給

※実際のスケジュールは、今後の政府・国会の動きや厚労省の告示を必ずご確認ください。

4.「ウチには関係なかった」を防ぐために、今やっておくべき3ステップ

補助金・助成金でよくあるのが、

「気付いたら公募が終わっていた」
「申請はとりあえずやったが、その後の運用が続かなかった」

というパターンです。
これを避けるために、今のうちに整理しておきたいポイントを3つに絞ります。

ステップ1:自社が「土俵に乗るか」をざっくりチェック

  • 従業員を雇用している中小企業・小規模事業者か
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が50円以内か
  • お給料という形で積極的に従業員に還元していきたいか(「最低賃金+30円以上」の賃上げ要件)
  • そのために、業務改善を目的としたシステム投資等にチャレンジしたいか

ここがYES寄りであれば、業務改善助成金を前提にした投資シナリオを検討する価値が高いと言えます。

ステップ2:「どの業務を良くすれば賃上げできるか」を言語化する

業務改善助成金は、「賃上げだけ」「システム導入だけ」ではなく、

「業務改善 → 生産性向上 → 賃上げ」という一連の流れを求める制度です。

そのためには、下記を整理しておく必要があります。

  • どの業務にムダ・属人化が溜まっているのか
  • どのプロセスが人手不足のボトルネックになっているのか
  • 自動化・一元管理できるとインパクトが大きい業務はどこか

ステップ3:データで「変化」を説明できる基盤をイメージする

助成金を活用したあと、本当に生産性が上がったのか、どのくらい賃上げ余力が生まれたのかを、数字で説明できる状態になっているかどうかが、中長期的な銀行交渉や次の投資判断に効いてきます。

5.kintone × 業務改善助成金の具体的な活用イメージ

厚労省の制度概要には、助成対象の例として下記が挙げられています。

  • 顧客管理情報のシステム化
  • 在庫管理・売上管理の効率化
  • コンサルティングや教育訓練の実施

これらは、kintoneが得意とする領域ときれいに重なり、弊社としても本助成金の活用を積極的にご案内しています。
イメージしやすいように、代表的な3パターンだけ挙げます。

パターンA:紙・Excel業務の一元管理

  • 受発注、見積・請求、在庫、問い合わせ対応などをkintoneで一元管理
  • 二重入力や転記作業を削減し、「1人あたりの処理件数UP」を狙う
  • 日次・週次で売上・粗利・案件状況を可視化し、判断の速度も高める

パターンB:勤怠・シフト・工数の見える化

  • 部署・人別に「何にどれだけ時間を使っているか」をkintoneで見える化
  • 残業時間の削減、業務の平準化につなげる
  • 生産性向上分を「賃上げの原資」として説明しやすくする

パターンC:業務フロー+データ設計の見直し

  • 業務プロセスをフローチャートで整理し、「誰が・いつ・何を・どこに入力するか」を再設計
  • そのフローをkintoneのアプリ・プロセス管理で実装
  • 将来の制度変更や人員増にも耐えられる“業務の型”をつくる

いずれも、「助成金ありき」ではなく、
「賃上げできるだけの生産性を実現するための投資」として位置付けること
が重要です。

6.当社がご支援できること

当社では、

  • 中小企業支援の専門家である中小企業診断士を中心としたコンサルタントが、
  • 業務設計フェーズからkintone開発・導入までハンズオンでご支援し、
  • 業務改善・DXを通じた課題解決をサポートしております。

業務改善助成金そのものの申請については、社会保険労務士の先生方と連携しながら、

  • 「どの業務を改善対象とするのが最も効果的か」
  • 「そのために、どのようにkintoneを設計すべきか」
  • 「生産性向上と賃上げの関係を、数字とロジックでどう説明するか」

といった、“経営と現場と制度”をつなぐ部分に強みを持っています。

7.おわりに|補助金に振り回されず、「賃上げできる会社」へ

令和7年度補正予算で、業務改善助成金の原資は352億円まで積み増されました。

これは確かに大きなチャンスです。

一方で、私たちが大切にしたいのは、「今年いくら助成金が出るか」ではなく、「この機会を使って、賃上げできる体質を作れるかどうか」という視点です。

「うちの業務フローだと、どのように業務再設計・システム化するのが良いか知りたい」
「どのあたりが業務改善助成金の対象になり得そうか知りたい」

と感じられた方は、ぜひ一度ご相談ください。

最新の制度情報を踏まえながら、
助成金に振り回されない、本気の業務改善と賃上げを一緒に設計していければと思います!

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